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ブライダルマガジン > 人気Wedding特集 > プランナーが感動したウェディング | ![]() |
ウェディングはカップルによって十人十色。ウェディングプランナーの方々は、多彩な式をプランニングし、一生に一度のその人だけのウェディングをプロデュースします。そんなプランナーの方々に、これまでに感動をしたウェディングについてたずねてみました。
大学生の時にガンでお父様を亡くされた新郎・Eさん。Eさんのお母様より、ある日プランナーの元に電話が。「お願いしたいことがありまして・・・」と相談を受け、直接会うことになりました。
「息子に内緒でこのDVDを再生してもらいたいんです。式場にそういった設備はありますでしょうか?」と尋ねられ、手渡されたディスクの内容は、治療中のお父様が息子のEさんにあてたメッセージでした。
「俺は精一杯生きるし、Eの結婚式にも出て、孫だって抱くつもりだ。けれど、もしも俺の命が先に尽きてしまうようなことがあれば、これを式で流して欲しい」そう病床で託された奥様は、約15年の間、この映像を大切に保管されてきたのです。
式の当日、会場の大型スクリーンに流れる映像で久しぶりに目にした父親の姿、懐かしいその声にEさんも母親も涙がとまりませんでした。闘病中ではあったものの、時折ユーモアを交え、時には真面目に語りかけ、そして、新婦への温かな優しさにあふれた言葉がおさめられた5分ほどの映像。会場中が感動に包まれる中、新婦は「精一杯彼と一緒に生きていきます。二人で一緒に絶対に幸せになります」と涙ながらに力強く宣言すると、盛大な拍手が自然と湧き上がり、溢れました。
中学生の時に両親を交通事故で無くした新婦Mさん。大学生だったお兄様が、Mさんを支えてくれました。 苦労しながら2人で歩いてきたこれまでの日々を思い出しながらバージンロードを歩く、Mさんとお兄様。式場の一番前には両親の遺影がおかれています。 バージンロードの途中、涙で歩けなくなってしまったMさんを優しくいたわるお兄様。最後に交わされた新郎と兄の握手に、参列者の目も涙で濡れていました。
新婦からの逆プロポーズを受けて結婚することになった2人。「いまさらプロポーズなんておかしいけれど、男としては改めてプロポーズをしたい!」そんな新郎の希望を受け、披露宴の場で再びプロポーズを行うことになりました。
新郎から「女性はどんなプロポーズが嬉しいのか」と意見を求められたプランナーは、今まで他の新郎新婦から聞いてきた例をいくつか紹介。また、彼も一生懸命ネットなどで調べ、当日の計画を進めていきました。
最終的に、「結婚して下さい」ではなく「一生添い遂げましょう」の方向性で考えることに。
キャンドルサービス後、ロマンティックなロウソクの灯りのもとで「おまえと今日、結婚式を挙げられて幸せだ。おまえを幸せに出来るか分からないが、おまえを幸せにするために精一杯努力するから、一生俺と一緒に生きて下さい」と伝え、準備していた花束を渡すことになりました。
しかし当日、緊張のあまり、準備していたセリフをすっかり忘れてしまった新郎。それでも「プロポーズしようと思ったのに、言うべき言葉をすっかり忘れてしまった。ごめん。こんな俺だけど、これから長い人生、よろしくお願いします」と頭を下げ、なんとか花束を渡すことが出来ました。「ありがとう。後で、忘れてしまった言葉もぜひ聞かせて下さい。これからもよろしくお願いします」そう新婦が答えると、場内はなんともいえない温かな雰囲気でいっぱいになりました。
ある日、プランナーの元に1本の電話がかかってきました。新郎新婦のご友人で式の当日に友人代表の挨拶を行う女性からでした。
その内容は、「当日は新婦の誕生日。きっと新郎様がサプライズでバースデーパーティーを計画されていると思うのですが、ぜひ私からも何かして差し上げたいんです」というご相談。「出来れば参加者全員が参加出来るようなお祝いをしたいのですが、何をしたら良いのか分からなくて、ご意見を聞かせて下さいますか」と頼まれました。
ゲストの負担にならないシンプルなもの、かつお祝いの気持ちがしっかり伝わるようなサプライズがよいと、新郎新婦のお色直し後、改めて会場に入ってきた2人にバースデーソングを歌おうということに決まりました。
お色直しのために2人が一度退場した後、式場内のゲストひとりひとりに頭を下げて協力をお願いして回る女性の姿にはプランナーも感動、思わず泣きそうになったそうです。
本番では彼女の生伴奏とともに「ハッピーバースデー」を全員で大合唱。これには新郎新婦の2人とも大変驚き、新婦は「こんなに嬉しいバースデーソングは初めてです。私、世界一の幸せ者ですね」と素晴らしい笑みを見せてくれました。